事業の趣旨
公益財団法人北海道生活衛生営業指導センターでは, 地球環境保全の観点から, 2010年から2022年までの期間, クリーニング業界及び消費者団体等と連携協力してクリーニング包装材の再利用等の促進を図るためプラスチックハンガーの回収等,「プラスチック製品の削減化」の協力について, 利用者等に周知啓発を行ってきました.
2023年からは, 同じく地球環境保全の観点並びに北海道が2050年までに実現を目指す「ゼロカーボン北海道」の方針を踏まえ, 道内11の生活衛生同業組合, 行政機関及び消費者団体等と連携協力して, 道内の生活衛生関係営業者並びに利用者等の方々が事業活動や日常生活に際して排出される温室効果ガスの削減の意識向上に貢献できるよう普及啓発を進めるための推進会議を開催するとともに, ホームページ等において広く周知啓発を行います.
1 令和6年度温室効果ガス排出量の削減に係る推進会議の開催
事業の概要
令和6年度温室効果ガス排出量の削減に係る推進会議
〇日 時:2024年10月21日(月)
〇場 所:ホテルモントレエーデルホフ札幌 12階「ベルクホール」
〇参集範囲:北海道生活衛生同業組合(美容業・クリーニング・ホテル旅館・興行・食肉・社交飲食・麺類飲食業・料理飲食業), 北海道保健福祉部, 北海道経済部, (独法)北海道立総合研究機構,(一社)北海道消費者協会, (公財)北海道生活衛生営業指導センター
〇議 事 等:
(1)省エネからはじめる「脱炭素経営」
(2)気候変動が北海道に及ぼす影響 ~ 観光・食・生活環境を中心に ~
2 北海道生活衛生同業組合における温室効果ガス排出量の削減に向けた取組み等について
地球温暖化による気候変動は, 北海道の食・観光そして生活環境等の様々な分野に影響を与えています. そのため, 道内11業種の組合, 6,800余の組合員が, 脱炭素化や持続可能な地域づくりを同時に進めるために, いまできることを行っています.
(1)各生活衛生同業組合の取組事例
北海道理容生活衛生同業組合
理事長:渡辺 界立
所在地:札幌市中央区南2条西20丁目1-1 BEAUT20 2F
TEL:011-621-4648
当組合では, 既に取組んでいるものとして「LED照明の導入」で, 組合で物資斡旋として取扱い, 組合員に利用していただいている.
今後の取組みとして, クールビズの導入を進めサロンスタッフが軽装で働くことで空調の設定温度を高めに保ちエネルギー消費を削減. また, 夏場で涼しい日には窓を開け自然の風を取り入れることでのエネルギー消費量の削減などについて, 広報等で案内する予定である.
その他にも, 節水シャワーのヘッドを使用することで水の消費を抑える取組みについても, 広報等で案内して温室効果ガス排出量の削減に貢献していきたいと考えている.
北海道クリーニング生活衛生同業組合
理事長:本間 大介
所在地:札幌市東区北14条東12丁目1-3 クリーニングビル 3F
TEL:011-731-6700
当組合では, これまでも, プラスチックハンガーのリユースやマイバッグの利用の協力などの呼びかけなど, プラスチック製品の削減化を推進することで, 脱炭素化や持続可能な地域づくりを行っている.
クリーニング業は, スチームにボイラーの使用, 洗濯に石油溶剤の使用, 配達にガソリンの使用など, 金銭的にも負担が大きい業界のため, 組合としてどのように発信したら良いか悩ましいところだったが, 本日の会議での情報も参考に今後も取り組みを促していきたい.
北海道公衆浴場業生活衛生同業組合
理事長:小西 廣幸
所在地:札幌市中央区大通12丁目4-78 BD WEST12 3F
TEL:011-522-7832
「エコ銭湯」
当組合では, 京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議で採択発効された京都議定書2005年2月16日を受けて銭湯でも, CO2消滅を2011年2月から「家族で銭湯へ行こう」をスローガンに全道で取り組んで, 13年目を向かえた.
毎年, 2月第2木曜日を「エコ銭湯」と位置付けている.
今後も利用者に浸透拡大させていくことが更なる課題である.
当組合では, ホテルや旅館として, 利用者に快適なサービスを提供する立場から, 一律に照明や冷暖房などの入れる時間や切る時間などについて, 極端な対策を行うことは利用者からの指摘やサービス低下に繋がる恐れもあり, 大変悩ましい問題点として抱えている状況にある.
食品ロスの観点からも, バイキングスタイルは1回に提供する量を少し抑え, 追加で補充するシステムを取り入れていかなければならないが, 利用者側からは量が少ないなどのイメージや評価に繋がることも事実である.
その他, ストローなどのプラスチック製品や, 使い捨ての箸や紙カップなど非常に多くの品を使用する業種であることからも, 様々な角度から削減に取り組んでいるが, 今後も, 温室効果ガス排出量の削減に向けて更なる対応をしていく考えである.
北海道興行生活衛生同業組合
理事長:柏浦 亜紀恵
所在地:札幌市中央区南3条西3丁目15 アルファ南3条ビル 5F
TEL:011-231-6361
当組合の組合員は, 道内の映画館が対象となっている. 映画館はCO2排出量が多いと言われているが, 10年ほど前から始まったフイルムでの上映からデジタル上映に移行して, 30キログラム以上あるフイルムの運搬をなくしたことで運送によるCO2排出量と運送コストの削減を実現している.
また, LEDの導入, 空調機の見直しや無駄なエネルギー消費を抑制し, 快適性とコスト削減の双方を実現している.
今後も, チケットレスなどのペーパーレス化や, 室温の温度が上昇する事を軽減する遮蔽フイルムの設置など, 利用者にも協力いただき, 快適に過ごせる映画館を目指しながら, 温室効果ガス排出量の削減に貢献する取組みを行う.
北海道鮨商生活衛生同業組合
理事長:今井 努
所在地:札幌市中央区南1条西9丁目 アルファ西9丁目ビル4階
TEL:011-261-2651
「令和6年度温室効果ガス削減の取組み」
当組合では, 各店舗(組合員)に「食品ロスの削減, 冷暖房の管理」などについて各広報誌への掲載やチラシ等の同封などで周知して取り組みを促している.
当組合の組合員の対象は, 販売から卸まで幅が広いが, 以前から節電等には取り組んでいる状況である.
今後も, 節電に取り組むとともに, 事務局も含め, 温室効果ガス排出量の削減の取っ掛かりを1つ1つ作るほか, 講習会等も開催して組合員に啓発して, 取り組みを促していきたいと思う.
当組合の組合員は, スナック, バー, クラブ, 居酒屋などの比較的小規模なお店が多いことから, コストのかからない, 資源消費の削減や資源循環などが, 主な取り組みになる.
そのため, 令和元年10月1日に施行された「食品ロス削減推進法」の基本方針に基づき, 食品ロスの削減に取り組むこととしている. 具体的には, 仕入や調理の工夫, 食べきり運動の呼びかけや提供サイズの調整, 利用者の自己責任であることを前提とした食べ残しの持ち帰りなど, 組合員それぞれが市町村や関係団体とも情報交換しながら取り組みを進めている.
食べ残しや作り過ぎは料理や食材が無駄になるだけでなく, 廃棄する際の処分費用もかかることから, 組合としても組合員に向け, 消費者啓発用のポスター, POP, 持続可能な経営を行っていくためのガイド, 取組事例を紹介するなど, 啓発に努める.
当組合は, 個人事業主が多いことから, 脱炭素経営という言葉で取組みが難しいと判断する経営者が多い状況にある. そのため, 既に取組んでいる「経費の削減のために省エネを実施している」ことこそが, 脱炭素経営であることを伝えるなど, 組合員に啓蒙活動を行っている.
また, 企業規模の組合員では, 農家から購入した野菜を使い, その野菜の残渣を肥料化して農家に戻すことで, 処理コスト削減と循環型地域づくりの実践を行い温室効果ガス排出量の削減を行っている.
今後も, コロナ感染症の飛沫防止に使用したアクリル板は, 廃棄焼却しないことでのCO2削減に繋がることからも, アクリル板をアクセサリー等に再利用するなどの事業者を紹介することや, 今回の会議で得た具体的な対応について, 分かりやすく啓蒙する活動に取り組んでいく.
当組合では, 電気の使用の観点として, 店内照明と空調の温度設定の見直しや冷蔵庫の開閉時間の見直しを実施している.
また, 北海道がすすめる食育活動, 食べ残し対策の「どさんこ愛食食べきり運動」について, 当組合のホームページのトップ画面にリンクをおいて, 啓発活動を実施している.
特に年末年始は食べ残しが多く発生することから, 啓発活動として, 事前に印刷物を各支部から組合員に配布するなど, 周知徹底に努めている.
3 温室効果ガス排出量の削減に係る情報
1 カーボンニュートラルに関する支援について
独立行政法人中小企業基盤整備機構では, 中小企業・小規模事業者の方々を対象に, カーボンニュートラル・脱炭素に関する相談について専門家がアドバイスする「カーボンニュートラル相談窓口」等を行っています.
相談は何度でも「無料」で, 相談にはオンラインでも対応しています.
なお, 中小機構の専門家を派遣して, 課題解決や社内人材の育成を集中的に支援する「ハンズオン支援(専門家派遣)」は「有料」となっています.
カーボンニュートラルに取り組みませんか? ~脱炭素経営~
カーボンニュートラル相談窓口
【独立行政法人中小企業基盤整備機構 <カーボンニュートラルに関する支援> 外部サイトへのリンク】
⇒ https://www.smrj.go.jp/sme/sdgs/favgos000001to2v.html
【お問い合わせ先】
⇒ (独)中小企業基盤整備機構 北海道本部 企業支援部 企業支援課 TEL.011-210-7471
2 食品ロスを発生させない取組・消費電力を抑えるための取組について
令和5年度, 「生活衛生関係営業者や利用者等が事業活動や日常生活に際して排出される温室効果ガスを削減するためにできる情報等の「3 温室効果ガス排出量の削減に係る情報」をご覧ください.
当組合では, 2013(平成25)年から全国理容生活衛生同業組合連合会と連携し「国の地球温暖化対策事業」に歩調を合わせ, お客様への技術サービスのための「クールビズ・ヘアスタイル」の募集を毎年実施しており, また今年は「SDGs社会における理美容業界のあり方に関するアイデア」をテーマに, 持続可能な社会やSDGsのチャレンジについての自由な提言を理容師のみならず広く一般から募集するなど独自の取り組みを行っている.
また, 毎年5月1日から9月末までの期間, 軽装スタイルでの諸会議出席を呼びかけ過度の冷房使用を減らす「クールビズ対応」の実施, 震災や風水災などで被災された方々にすぐに配布できるよう古タオルを収集し備えるなど限りある資源を有効に活用する取り組みも行っている.