(1)「ゼロカーボン北海道」の実現に向けて
北海道経済部ゼロカーボン推進局ゼロカーボン産業課ゼロカーボン産業係 主幹 太田 正亮 様
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北海道の温室効果ガス排出の特徴としては, 全国値と比べて「民生部門」と「運輸部門」が高くなっており,道民一人あたりの排出量は,全国に比べ1.3倍となっています.
これは, 積雪寒冷という地域特性から, 冬の間の暖房によるエネルギー使用量が多くなることや, 都市間の距離が遠いといった広域分散型の地域であるため, 自動車によるガソリンなどの使用量が多くなるといったことがあげられます.
今後, 北海道の脱炭素を進める上で大事なのは化石燃料の消費を少なくすることです.
このため, 再生可能エネルギーの活用が考えられますが, すべての方々に太陽光パネル設置といっても難しいので, 皆さま方にお願いしたい行動は「省エネ」です.省エネこそが「ゼロカーボンの第一歩」です.
化石燃料をエネルギー転換するには, 相当の投資を必要としますし, 太陽光エネルギーだけではエネルギーを全て賄うことは非常に難しいことから, 先ずは省エネから取り組みを始めてはいかがでしょうか. 一般的なところで「空調」や「照明」の交換, この他, 電気自動車の選択は難しいかもしれませんが,ハイブリットやPHEVの選択など,北海道の特徴に合わせた省エネが重要となります.
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「ゼロカーボンの取り組みにより期待される効果」については, 先ほど, この潮流に乗ることが重要といいましたが, ゼロカーボンの取り組みを実施する事で, 優位性を持ち, より経済業績の向上を図ることができます. 今後はサプライヤーにも排出削減が求められる傾向になりつつありますので, 自社の競争力の強化, 受注を拡大する上でもゼロカーボンへの取り組みをアピールしていかなければなりません.
この他, 新しい若い世代をZ世代といいますが, この世代はSDGs教育をしっかりと受けており, ゼロカーボンにも関心があるといわれています. ゼロカーボンを意識して取り組むことは, 人材獲得の強化,企業成長, 資金調達に極めて大きな影響を及ぼすものとなります.